論文の一覧(学術論文50本、翻訳・その他23本)

学術論文等の名称
単著,共著の別・発行又は発表の年月
発行所,発表雑誌等又は発表学会等の名称
概要

I.学術論文

1.Mirror-like attitude of psychotherapists and the use of therapist self-disclosure.
(筆頭論文)共著/平成6年4月/大阪府立大学総合科学部 人間科学論集42号
精神分析では,分析家は治療関係のなかで中立的な立場を保持することが必要だと言われてきた。しかし現代の臨床家の中には,効果的な心理療法にはもっと活発な技法と臨床家の自己開示とが必要だと信じる者も多い。この論文ではまず,臨床家の自己開示に関する精神分析派と,ヒューマニスティック理論派の相反する立場の違いを明確にし,次に私達の論理的立場を述べた。研究・執筆の9割以上を古宮が行った。
執筆者:Komiya,N. & Nakata,Y. A4判,総頁13. (9-21)

2.The role of emotional openness as a contributing factor to reluctance to seek counseling among college students.
(修士論文) 単箸/平成8年5月/米国州立ミズーリ大学
感情に対する恐怖が,カウンセリングを受ける事に対する抵抗を形成する要因のひとつであるという著者の仮説を実証的に検討した。被験者310名のデータをlatent variable analysis 統計法によって分析した結果,著者の仮説を支持する結果が得られた。この結果に基づき,人々がカウンセリングをより受けやすくするために,臨床家に何ができるかを考察した。
A4判変型、総頁87.
(注記)私が修士号を取得したのはメリーランド州立フロストバーグ大学であったが、そこでは修士論文は課されなかった。しかし、私が博士課程に進学した州立ミズーリ大学では、博士論文執筆には修士論文を完成させていることが必須であった。そのため、州立ミズーリ大学で修士論文を書いた。

3. Biological causes of homosexuality:Review of recent research in the U.S.
共著/平成10年3月/京都女子大学 児童学教室・児童学 研究28号
同性愛発達の生物学的原因探究を目的とした、近年の米国における主な研究を、次の3領域に大別して検証した:脳、ホルモン、遺伝。その結果、同性愛発達の生物学的原因として特定できるものは、現在の研究段階では存在しないことが明らかとなった。研究・執筆の9割以上を古宮が行った。
執筆者:Funaoka,S. & Komiya,N. A4判,総頁12. (14-25)

4.Development of the Emotional Openness Scale
(博士論文)単箸/平成10年11月/米国州立ミズーリ大学
当研究は,感情に対する無条件の受容度を測定する,科学的に価値の高い心理査定尺度の作成を目的として行われた。理論的心理検査項目作成法と因子分析統計法を用い,Emotional Openness Scale (EOS)という心理査定尺度が作成された。この論文は,感情許容度に関する理論的考察, EOSの作成手続き,その信頼性と妥当性の証拠,そして EOSが心理学研究の発展にどう貢献できるかを述べたものである。
A4判変型,総頁135.

5.Emotional openness as a predictor of college students' attitudes toward seeking psychological help.
(筆頭論文)共著/平成11年1月/Journal of Counseling Psychology Vol.47
カウセリングを受けることに対して米国大学生が持つ拒否的な態度を生む原因の一つは、自分自身の感情を自由に感じることに対する抵抗である、という筆者らの仮説を実証的に検証した。そして、その仮説を支持する結果が得られた。この結果を踏まえ、カウセリングに対する米国大学生の抵抗を和らげるために臨床家がすべきことを議論した。研究のほとんど全てを古宮が行った。第二・第三著者は、研究・執筆の補助にたずさわった。
執筆者:Komiya,N., Good,E.G.& Sherrod,N. A4判変型,総頁6. (138-143)

6.Psychotherapists'occupational hazards and self-care.
単箸/平成11年1月/Pine Grove Behavioral Health Newsletter, Vol.2, No.3.
この論文は,心理臨床家達の間に職業的,個人的機能破綻がどの程度の頻度で発生するのかを調べた研究をまず検討した。次に,心理療法家として働くことにまつわる困難の原因について考察し,最後に,心理療法家のために,精神的疲労と機能破綻の予防のためのアドヴァイスを述べた。
A4判変型、総頁3. (3-5)

7.A discussion of some of the psychodynamic and Gestalt concepts from eclecticians' point of view.
(筆頭論文)共著/平成11年3月/大阪府立大学総合科学部 大阪府立大学紀要 47号
精神力動論とヒューマニスティック理論の統合派的観点から,著者は以下の概念を理論面および技術面から考察した。自由連想法,分析家の鏡のような中立的態度,死の本能,夢分析,「いま,ここ」の強調,ゲシュタルト技法による直接的体験。以上の伝統的概念の臨床的妥当性を検討し,それらを現代の心理療法実践に活かす方法を考察した。研究・執筆の9割以上を古宮が行った。
執筆者:Komiya,N. & Nakata,Y. B5判,総頁8. (93-100)

8.Factors contributing to the utilization of professional mental health treatment by the general public
単箸 平成11年 3月 Pine Grove Behavioral Health Newsletter Vol.3,No. 1
心理治療の必要な人々のうちで実際に治療を受けるのは一部の人々にすぎないことは,多く研究によって明らかにされている。この論文では,心理治療を受けることに対する抵抗につながる様々な要因を検討する。その検討を踏まえ,一般の人々にとって心理治療をもっと求めやすいものにするために,心理治療に携わる私達になにができるかを考察する。
A4判変型、総頁2. (1-2)

9.日本語版感情受 容度尺度作成の  可能性
単箸 平成12年 7月 大阪経大論集 第51巻 第2号
感情経験への無条件的受容度を測定する,高い信頼性と妥当性を持った心理査定尺度(感情受容度尺度)を作成した。それを作成した理由は、感情経験に対する無条件に受容的な態度は,代表的な心理療法理論において大切な概念とみなされてきたため、感情経験への無条件的受容度を査定する尺度を開発することは、心理療法ならびに心理的健康についての実証的研究に大いに有益である、と考えたからである。筆者は、感情受容度尺度の作成のために、米国において大学生400名あまりを対象に研究1,2,3を行った。本稿では,それらの研究結果を発表するとともに,感情受容度尺度の日本語版を作成することの意義と,そのための課題について考察した。
A5判,総頁11. (173−183)

10.The Effects of affective and cognitive factors on human immunology: A review of literature.
単箸 平成12年 9月 大阪経大論集 第51巻 第3号
情緒的,認知的要因は,人間の免疫の働きに様々な影響を及ぼす。その影響について,多くの実証的研究が発表されている。本稿は,米国の学術雑誌に発表された主要な実証的研究をリヴューしたものである。肯定的な感情は免疫の働きを促進し,否定的感情はその働きを妨げるし,また,楽観的・悲観的期待などの認知要因も免疫に影響を与えることが,調査研究および実験研究によって明らかになった。
A5判,総頁15.(217−231)

11.学び手の学習動 機の点において、 望ましい心理的 影響を及ぼす教 員の行動と、望 ましくない心理  的影響を及ぼす 教員の行動
単箸 平成12年 9月 大阪経大論集 第51巻 第3号
筆者は小グループ面接方式によって,大学生15名から,教員の行動や教え方について意見や経験を聞いた。本稿は,そうして得られた学生の意見をまとめたものである。学生の意見が特に多かったのは,以下の点に関してであった。授業内容,学生と教員の人間関係とコミュニケーション,教員の熱心さと能動的学習機会,授業テクニック,教員の態度,説明の丁寧さ,提出物にコメントを書いて返却すること。
A5判,総頁7.(233−239)

12.自由記述法によ る、授業につい ての学生アンケ ートの結果
単箸 平成12年11月 大阪経大論集 第51巻 第4号
学生たちが大学教員の教え方・行動の何を望ましいと思い、何を変えてほしいと考えているかを知るために、自由記述・無記名アンケート方式による学生調査を行った。この調査が明らかにした授業改善の最も重要なポイントは、(1)わかりやすく丁寧な説明にさらに心掛けること、(2)学生との人間関係を大切にし、コミュニケーションをより活発にすること、(3)話す声の大きさや速さ、板書の字の見やすさなど、基本的な講義テクニックを再点検し、改善すべき部分を改めること、(4)授業内容を再吟味・再考し、学生に本当に役立つものを提供すること、の4点であった。
A5判,総頁11.(225−235)

13.心理的要因がガ ンの発生と進行 に及ぼす影響
単箸 平成12年11月 大阪経大論集 第51巻 第4号
心理的な要因がガンの発生とその進行に与える影響についての研究報告をリビューした。感情を抑制する傾向が高い人々は、感情にオープンな人々に較べガンに罹る確率が高いことと、ガン患者に対し、従来の医学的治療に加え、心理療法や患者どうしのサポート・グループといった心理的ケアを提供する事によって生存期間が伸びる事実とが複数の研究によって観察されている。
A5判,総頁9.(215−223)

14.学生から見た、 大学授業の良い 点と改善すべき点
単箸 平成12年11月 大学教育学会誌 第22巻 第2号
学生が大学における授業のどのような点を効果的、非効果的だと考えているかを見出すことを目的として行われた2つの研究の報告である。研究1では349名の学生が、今までに経験した教員の行動のうち最も望ましいものと、最も望ましくないものとを挙げるアンケートに答えた。研究2では、良い教え方と悪い教え方に関する学生の考えをより深く理解する目的で、16名の学生を小グループにわけて筆者が面接調査した。研究1および2の結果を総合すると、大学教育の最も重要な側面は(1)授業内容、(2)学生と教員間のコミュニケーションと人間関係、(3)授業テクニック、の3つであった。
A4判,総頁7.(129−135)

15.心理カウセリン グを受ける事に 対する社会の拒 否的態度の知覚 を測定する尺度 (英語版)の作成
単箸 平成12年12月 大阪経済大学 教養部紀要 第18号
筆者は、米国大学生を被験者に研究をおこない、心理カウンセリングを受けることに対して社会がもつ拒否的態度の知覚を測定する心理査定尺度を作成した。それを作成した目的は、心理カウンセリングを受けることに対する心理的抵抗感についての実証的研究を促進するためである。人々が心理的カウセリングを受けたがらない理由の一つに、「そんなものを受けたりすると、周りの人間が自分のことを悪く思うのではないか」、という恐怖がある。しかし、ある人は「社会の人々は、カウセリングを受けた人間にひどく差別的に対処するだろう」と信じるが、またある人は「社会は、カウセリングを受けた人間をそれほど差別的な目では見ないだろう」と信じるであろう。本論文は、その尺度の作成研究過程と結果の報告である。
A4判,総頁6.(93−98)

16.性格特性として の感情抑制傾向 の発達心理学的 研究: 実証的研究のリ ヴュー
単箸 平成13年 3月 大阪経大論集 第51巻 第6号
感情抑制傾向がどのように形成されるのかを、心理学の実証的研究を総覧することによって考察し、ついで、感情抑制傾向が比較的強い子どもと弱い子どもの、心理的・社会的適応度の違いを比較した。罰、誉めること、許可、拒否、勇気付け、モデリングなどの策略によって、親は子どもの感情表現傾向を変えようとし、その結果、子どもはどの感情を、どれくらい、どのように表現してよいかを学んでゆくようである。さらに諸研究を総合すると、感情表現がより自由で、子どもにも自然な感情表現を促す親の子どもほど、心理的により健康で社会により適応している、と結論付けられる。
A5判,総頁12.(125−136)

17.将来の大学教員 に教え方を教え る:米国ミズー リ大学コロンビ  ア校心理学部に  おける教育実習
単箸 平成13年 5月 大学教育学会誌 第23巻 第1号
米国の州立ミズーリ大学コロンビア校心理学部では、大学教員になることを希望する大学院生を対象に教育実習が行われている。その教育実習では、教員による授業の相互参観、授業をビデオに撮って観察しあう、効果的な教授法の実践発表、など活発な実践的カリキュラムが実施され、大学院生の教育能力を高めると共に、彼らが常勤の大学教員として採用される大きな助けになっている。本論文ではその教育実習の内容を伝えるとともに、それが効果を挙げていることの根拠を提示した。
A4判,総頁8.(63−70)

18.Emotional openness as a predictor of attitudes toward seeking counseling among international students.
(筆頭論文) 共著 平成13年11月 Journal of College Counseling, Vol.4, No.2
100名余りの留学生を被験者とし,複合回帰統計法をもちいた当研究では、@性別,A感情に対する受容度,Bカウンセリングを受けることに対して社会が持つ否定的な見方についての認知,の3要因がカウンセリングに対する留学生の抵抗を説明する要因であるという結果が得られた。この結果は,留学生のもつカウンセリングに対する抵抗の主な要因の一つは感情を自由に経験することへの彼等の恐れである,と言う著者の仮説を支持するものであり,その仮説が心理臨床実践に持つ意味を考察した。研究・執筆の9割以上を私が行った。
執筆者:Komiya,N. & Eells,G.T. B5判変型、総頁8.(153-160).

19.モノローグ:僕がしたい教育
単箸 平成13年12月 大阪経済大学 教養部紀要 第19号
効果的な大学教育とは、単に知識を注入することではなく、心の触れあい、感動を通じて、学生と教員の双方がともに変わりあう教育である、と筆者は考える。そういう教育をするためにもっとも大切だと筆者が考えるのは、教員自身が心のガードをおろし、学生達と一人の人間として向き合うことである。そしてさらに、学生に「教える」という態度ではなく、学生が持つ潜在的能力が表れ、磨かれるのを教員が援助する、という態度が大切だと考える。この筆者の主張を、根拠を挙げて論述した。
A4判、総頁3.(28−30)

20.心理的要因が身体的健康に及ぼす影響
  単箸 平成14年 2月 心理学評論44号
これは、様々な心理的要因が身体的健康に及ぼす影響を調べた実証的研究をリビューした論文である。具体的には、次のような身体的疾患および心理的要因に関する研究をリビューした:感情を表現することと心理的ストレスが免疫機能に与える影響、循環器系疾患に対するタイプIIパーソナリティの影響、感情表現傾向とガンの関係。最後に、これらの心理的要因がどのように身体的健康に影響するのか、についてのメカニズムを仮説として提唱した。
A4判、総頁15.(369−383)

21.家族における役割という視点をとりいれた摂食障害事例の考察
単箸 平成14年 2月 心理臨床学研究 19巻 6号
摂食障害に苦しむ若い女性との個人心理療法の事例研究論文。筆者は、来談者の心理的問題と心理療法プロセスを、主に精神力動的観点から概念化して援助に当たったが、その際に、彼女が生まれ育った家庭において彼女が担ってきた役割について、家族システム論の概念を、精神力動的概念化に取り入れて援助に当たった。その統合的な概念化・心理療法の具体例を分析したのがこの論文である。
A4判、総頁11.(608−618)

22.学生による授業評価の、実施時期が評価におよぼす影響.
単箸 平成15年7月 大阪経大論集、 54巻 2号
学生による授業評価は、多くの場合に学期の最終授業で実施されている。しかしそのことに対して、「普段は欠席がちだが最後の授業だけは出席するような学生たちに授業を評価できるはずがない」、という意見を持つ教員も多い。その不満に対応するには、学期も終わりに近づいた出席率が特に低い日に授業評価を実施することも考えられる。本研究では、学期終盤の出席率が低い日と、最終授業の2度にわたって授業評価を実施し、評価時期によって評価そのものが影響されるかどうかを検討した。
A4版、総頁5.(407 –411)

23.教員が教える授業から、学生が学ぶ授業へ
単箸 平成15年11月 大阪経大論集、 54巻 4号
高等教育の質の向上について議論するときの前提として、大学は教える場所である、という前提がある。それゆえ、教員の義務は授業を規定時間数教えることであり、また、大学教育の質を評価する際には、教員の研究者としての資質や教えるための設備、入学生の偏差値などが基準として用いられる。しかし本当に大切なのは、教えることではなく質の高い学びを産むことである。その前提に立つとき、教員の義務は学生の学びが一定のレベルに達することであり、大学教育の質を評価する基準は教員の授業時間数や研究業績、大学の設備、偏差値などよりも、卒業生の学力になるであろう。本論文は、「大学とは学びを産む場である」というパラダイムへの変換が、質の高い高等教育に重要であることを述べたものである。
A4版、総頁8.(299−306)

24. ロールシャッハテストにおける、片口法とエクスナー法の、スコアリングにおける違いについての考察
単箸 平成17年5月 大阪経大論集 56巻 第1号
日本におけるロールシャッハテストのスコアリング法と解釈法としては、片口法がもっともポピュラーな方法として存在してきた。片口法はおもに、クロッパー法をもとにした方法である。世界においてはそれに対し、近年になってエクスナー法がクロッパー法をしのぐ代表的な方法として席巻しつつある。本稿では、片口法とクロッパー法のちがいのうち、スコアリングにおける違いを比較検討し、その違いが持つ意味を考察した。
A4版、総頁11.(69−79)

25. バウムテストに見る統合失調症の病理性とその回復過程に関する一考察
共著 平成17年7月 大阪経大論集 56巻 第2号
30年間ひきこもりの生活を送っていた慢性期の統合失調症者の心理査定事例をもとに、バウムテストに見る統合失調症の病理性とその回復過程について考察を行った。描画は、全体を通じて造形性が貧困化しており平板かつ常同的であったが、活動性や社会性の回復に伴い、樹冠の拡大や二次元の枝の出現、枝数の増加などの変化が見られた。また共通して見られた形式化の傾向や二次元水準での幹と枝の関連づけの欠如は、その病理性の特徴を表わしていると考えられた。 執筆分担であるが、共著者である椋田氏が元稿を書き、それに古宮が加筆・修正をおこなった。分担執筆分のページ数を抽出することは不可能である。
 執筆者:椋田容世、古宮昇 A4版、総頁20.(209-218)

26.佐藤論文へのコメント論文
単著 平成18年3月 神戸松蔭女子学院大学こころのケアセンター紀要 第1巻
佐藤友香氏が、20代の男性来談者との面接について検討した事例研究論文についてのコメント論文である。その面接は3回で中断となった。佐藤氏は中断の原因を、来談者が3回目の面接の最後に佐藤氏に対する恋愛感情を表現したときに、それをうまく扱えなかったからだ、と考えている。それに対してこのコメント論文では、中断の大きな原因は初回面接からの佐藤氏の共感的理解の不足であることを示した。
A4版 72-75

27.A comparison of therapeutic relationships in psychoanalytic, nondirective and Adlerian therapy(精神分析、非指示療法、アドラー派セラピーにおけるセラピー関係の比較)
単著 平成18年3月 臨床心理学 No.32(6巻2号)
臨床心理学の研究者であるFred Fiedlerは1950年と1951年に、歴史的な意義のある論文を発表した。それは精神分析派、非指示療法派、アドラー派の著名なセラピストと初心セラピストのセッションを比較した実験論文である。その実験ではいくつもの価値ある発見があったが、そのひとつは、著名なセラピストは、同じ流派の初心セラピストよりも、異なる流派の有能なセラピストと、より共通点が多い、ということである。本論分は、Fiedlerの論文の要点を紹介するとともに、彼の研究が持つ現代的意味について論じたものである。
A4版 284 – 286

28.鈴木論文へのコメント論文
単著 平成20年3月 神戸松蔭女子学院大学こころのケアセンター紀要 第3号 119-123 A4版

29.ニートになる若者たちの心理を理解するために
単著 平成20年3月 「人間科学研究 第2号」57−64
若者たちがなぜニートになるのか、その心理について考察した。それとともに、ニートが増えた社会・文化的要因についても考察した。そして、ニートの若者たちが自分で納得できる職と生きかたを見つけるためにどう援助すればよいか、を提案した。
A5版 57 – 63

30.ヨガの、心理的問題への治療効果 〜客観的文献研究のリビュー 〜
単著 平成20年5月 大阪経大論集第59巻 第1号 77−82
ヨガに、心理的健康度を増進する効果があることは多くの実証的研究によって観察されている。本論ではそれらの一部を紹介した。
A5版 77 – 82

31.ヨガの、心身の健康効果についての文献リビュー
単著 2008年9月 大阪経大論集 第59巻第3号130−147
ヨガの、身体的および心理的健康を増進する効果について検証した多くの研究のレビュー。

32.学生が学ぶ授業2するためにいちばん大切なこと
単著 平成20年12月10日 ロースクール研究第12巻、53-63 (民事法研究会)
ロースクールでのFDについての依頼論文である。学生の学びに有益な大学授業をするために大切な教員のありかたを述べた。つぎに、学生の授業への能動的な参加をうながす方法を紹介した。さらに、学生による授業評価が信頼できるかについて、実証的研究の知見をリビューした。

33.住岡論文へのコメント論文
単著 2009年3月 天理大学カウンセリング・ルーム紀要第5号167−174
天理大学の大学院生である住岡氏による事例研究論文を検討し、より来談者の役に立つ臨床心理学的援助の方法をアドヴァイスした。

34.藤澤論文へのコメント論文
単著 2009年3月 神戸松蔭女子学院大学こころのケアセンター紀要 第4号 145-148
神戸松蔭女子学院大学の大学院生である藤澤氏による事例研究論文を検討し、より来談者の役に立つ臨床心理学的援助の方法をアドヴァイスした。

35大学授業でもっとも大切なことについての私論 (研究ノート)
単著 2009年3月 大阪経大紀要
学生のためになる大学の授業をするために、もっとも根本的に大切なのは教員の意識であることを主張するとともに、それがどういう意識であるかについて、私論を述べた。(pp.101-107)

36しあわせのために大切なふたつのこと
単著 2009年3月20日 同志社心理第55号pp.117-126
古い価値観が崩れた現代において、「どうすれば幸せになれるか」についての旧来の常識も通用しなくなっている。ゆえに、新しい幸せ観の構築が必要とされている。そこで本論は、新しい幸せ観を提案するものである。

37 感情表現を促す話の聴き方
単著 2009年5月1日 『児童心理』2009年5月号,55−59. 金子書房
子どもが、自然で自由に感情表現ができるような話の聴き方を、例を通して説明した。

38 村山論文へのコメント論文
単著  2009年10月1日 明治大学心理臨床学研究第5号, 59-63.
村山恭朗氏の事例発表論文について検討した。

39 子どもが心を開く話の聴き方
単著  2011年5月1日  『児童心理』2011年5月号,20-27.金子書房
傾聴することが、子どもの心にどんな影響を与えるのか、そして、子どもの心の支えになるにはどのように傾聴すればよいのか、を説明した。

40 カウンセリングの基本
単著  2011年11月10日 『臨床心理学』第11巻第6号 金剛出版
カウンセリングの基本的な人間観および援助の理念を解説した。

41 私の5冊(2010−2011)『臨床心理学』第12巻第1号 金剛出版
2010年から2011年にかけて出版された著書と論文のうち5本を取り上げ、解説した。

42 ヨガの心理的効果についての調査研究
共著(古宮昇・谷口弘一)2011年11月20日 『カウンセリング研究』日本カウンセリング学会発行
全国33か所のヨガスタジオ(イルチ・ブレイン・ヨガ)の新規入会者74名を対象に、心理状態の変化を2か月間追跡調査をした。すると、自己肯定感、人生への満足度などが向上し、対人不安、孤独感、完璧症の不安などが軽減していた。

43 環境問題に表れた、人間の心理的問題
共著(松本英揮、古宮昇) 『大経大紀要』63巻1号 2012年5月15日
地球環境問題は人間の心理的問題の表れである、と主張する。地球環境を破壊していることと、人間がみずからの身体および感情を傷つける生き方、社会のあり方をしていることとの関連について述べた。

44 はげますのはなぜよくないのか 〜 援助者のためのうつ理解 〜
単著 『臨床心理学』第12巻4号 金剛出版 2012年7月10日
うつ症状が生まれるメカニズムを精神分析的な見地から明らかにした。そしてその理解をもとに、なぜ打つ症状に苦しむ人を励ますと反援助的なのかを解説するとともに、うつの人の援助にあたって留意すべきポイントを述べた。

45 思春期・青年期の臨床心理アセスメント―親子関係と家族力動―
単著 2012年7月15日『事例で学ぶ心理アセスメント入門(臨床心理学・増刊第4号)』98−105
思春期および青年期の来談者について臨床心理学的なアセスメントをするさいに、親子関係と家族力動の何を見ることが重要かを述べるとともに、アセスメントにおいて特に留意すべき点について述べた。

46 ディマティーニ・メソッドレジスタードマークの心理的効果に関する予備的研究
単著 2012年11月15日 『大阪経大論集』63巻4号pp. 277-282.

47 子どもの話に耳を傾けることが、子どもの「思いやる心」を育てる
単著 2013年9月1日児童心理 2013年9月号 (No. 973) pp. 38-43

48 傾聴を主とする心理療法における共感的応答についての検討
単著 2014年1月15日 大阪経大論集 第 64 巻 5 号pp. 131-136.

49 幼児が親の愛情を求める衝動の特徴と、その不充足がのちの心理的発達におよぼす影響
単著 2014年1月15日 大阪経大論集 第 64 巻 5 号pp. 53-66.

50 来談者の、カウンセラーへの不信感にどう対応すればよいか?
〜 不信感についての理解と対応に関する一考察 〜
単著 2014年3月15日 大阪経大論集 第 64 巻 6 号

51 前カウンセラーからの転移現象について
単著 2014年3月15日 大阪経大論集 第 64 巻 6 号

 [翻訳]
1.第9章「瀕死体験に対する嗜癖」
単著 平成17年9月 岩崎学術出版社 ベティ・ジョセフ著「心的平衡と心的変化」のpp.169-186.

2.第13章「日常生活における羨望(エンヴィ)」
単著 平成17年9月 岩崎学術出版社 ベティ・ジョセフ著「心的平衡と心的変化」のpp.243-258.

3.谷底を歩きとおして − 死の影から学んだこと −
共著 平成20年9月1日 「こころの科学」第141巻、8-15.(日本評論社)
原著者は米国の臨床心理士の夫婦で、彼らが、赤ちゃんの死産という体験を通してそれぞれどう人として、そして心理療法家として成長したかをつづった論文である。

[辞典]

1.心理療法ハンドブック
共著 平成17年9月 創元社
氏原寛(他)が代表編者となる心理療法の辞典である。古宮はつぎの3項目について単独執筆した:「快楽原則/現実原則」「自我(自己愛的)リビドー/対象 リビドー」「リビドー」
A5版、総頁数640頁

[その他] 1.17歳からのメッセージ 
共編 平成15年6月 創元社
本学の「17歳からのメッセージ」を著作化するにあたって、編集委員の一人としてかかわった。

2.連載「子どものこころに耳を傾けよう @」
単箸 平成16年11月 (NPO法人)関西こども文化協会ニューズレター 14巻
  これは、親や教師など、子どもにかかわる人々を対象に書いた啓蒙の文章である。概要はつぎのとおり:どの親も、「子どものために」、と思って精一杯にやっている。ところが子どもに問題が起きると、「親の愛情が足りない」とか「親に問題があるに違いない」などと、親を責める風潮がある。残念なことに、そのようなことを言って親を批判するカウンセラーさえいる。しかし、子どもの問題行動に苦しむ親に必要なのはサポートである。誰も、子どものことを思って精一杯がんばっている親を非難する資格はない。
A4版、総頁1.(p. 4)

3.連載「子どものこころに耳を傾けよう A」
単箸 平成17年2月 (NPO法人)関西こども文化協会ニューズレター 15巻
  子どもの問題行動にどう対処して良いか分からず戸惑っている親は、しばしば孤立しがちである。しかし、子どもを若い夫婦だけで育てることはできない。子どもは社会で育てる必要がある。だから、近所の人たち、学校の先生、福祉・心理の専門家らのサポートを上手に受けながら、子育てをすることが大切だ。
A4版、総頁1.(p. 4)

4.連載「子どものこころに耳を傾けよう B」
単箸 平成17年6月 (NPO法人)関西こども文化協会ニューズレター 16巻
  親や教師などは、ついつい子どもに「教えよう」、「話して聞かせよう」という態度が強すぎて、子どもの話を聞いてやれないことが多い。大人たちが子どもに教えようとするのは、子どものことを思ってのことではある。しかし、子どもの気持ちを十分に聞こうとせず、子どもに「教えよう」、「言い聞かせよう」とばかりすると、子どもはしばしば「大人に話しても分かってくれない」と感じてこころを閉じてしまう。
A4版、総頁1.(p. 6)

5.座談会「私にとって家族とは」について
単著 2006年4月 インファーノ Vol.21、1−4 (NPO法人 関西こども文化協会発行)

6.子どもがいじめにあったとき親ができること 〜 小中学生たちのアンケートから〜
  単著 2007年4月 インファーノ  Vol.22、1−3 (NPO法人 関西こども文化協会発行)
自分の子どもが学校でいじめられていることが分かったとき、親が何に気をつけてどう対処するのが良いかについての指針を提供する論文である。大切なことはつぎの4点である。(1)対処の責任を親がひとりで背負わず、必要な助けを普段から得ること、(2)親が慌てたり取り乱したりすることなく、腹を据えてこどもの気持ちを受け止めること、(3)子どもの話をよく聞くこと、(4)親に何をしてほしいかを、子どもに尋ねること。
A4版 総頁2.(pp.1-3)

6.指定大学院の指定を受けて 〜 大阪経済大学人間科学研究科臨床心理学専攻
単著 平成20年1月 臨床心理士報 第19巻 第1号
本学の人間科学研究科臨床心理学専攻が、(財)日本臨床心理士資格認定協会から、臨床心理士養成校として1種認定されたことを受け、本専攻について詳しく説明した論文。
A4版 総頁4.(pp.17-20)

7.学生のとらえかた
単著 平成20年3月 大阪経済大学学生相談室報2007年度版
学生に対応する教職員に向けて、こころに重荷を抱える学生をどう見分けるか、そして、そのような学生にはどのように対応すれば彼らの支えになれるか、について述べた。

8.自著紹介
単著 2008年3月 人間科学研究 第2号
自著「やさしいカウンセリング講義 − もっと自分らしくなれる、純粋な癒しの関係を育むために −」(創元社)について紹介した。(p.154-155)

9.私の「地球村」を読んで
単著 平成20年6月 「地球村通信」 第185号 (NPO法人「ネットワーク地球村」発行)
親に愛されたい子どもの気持ちについて、臨床心理学の立場から解説した文章。
A5版 総頁1.(p.6)

10.大阪経済大学臨床心理学専攻の紹介
単著 平成20年10月 臨床心理士養成指定・専門職大学院ガイド2009, p.78 (日本評論社)
本学人間科学研究科臨床心理学専攻の内容について、大学院進学希望者を対象読者として紹介した文章。

11.学生のとらえかた
単著 平成20年3月 大阪経済大学学生相談室報2007年度版
学生に対応する教職員に向けて、こころに重荷を抱える学生をどう見分けるか、そして、そのような学生にはどのように対応すれば彼らの支えになれるか、について述べた。

12.日本経済新聞コラム「一筆K上」
単著 平成20年11月25日 日本経済新聞社朝刊2008年11月25日版第39面
学生の成長に有益な大学授業をするためには、それに必要な技術・ノウハウがある。しかしそのまえに、教員の態度として、学生の身になって考えようとする姿勢、学生の役に立つ授業をしたい、という熱意、そして学生の良さを見続けようとする意思が大切だと述べた。

13.今年の注目!わたしのBooks&Papers5
単著 2009年1月10日 臨床心理学 第9巻 第1号139-140 (金剛出版)
臨床心理学の専門家むけに、とくに推薦する著書・論文を合わせて5本挙げ、それぞれについて内容を紹介した。

14.感情をめぐる、私の体験
単著 2009年2月28日 (NPO)ストレスカウンセリング・センター・ニュース 2009年2月号 (No.254),3
怒りの感情を自分で浄化する方法を紹介した。

15.学生を支える一つの方法
単著 2009年3月31 大阪経済大学学生相談室報2008年度版3-4
こころに悩みを抱える学生に対応する教職員のために、そのような学生たちのこころの支えになれる話の聴き方を述べた。

16.心理学の生きた学びをおこなう
(ゼミ紹介) 単著 2009年3月31 人間科学研究第3巻16-21
わたしのゼミについて紹介した。

17.自著紹介
単著 2009年3月31 人間科学研究第3巻120-123-
自著「傾聴術」(誠信書房)について紹介した。

18. ネコが教える、人に好かれて楽しく生きる方法 〜 内気なあなたにもできて必ず効く11の秘訣〜
単著 2009年4月21日 インターネット書籍(自費出版)
人間関係についての洞察をまとめた、一般大衆向けの本。

19.自著紹介
単著 2012年3月31 人間科学研究第6巻
自著「心の症状はどう生まれるのか」(岩崎学術出版社)について紹介した。
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